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車の排気ガスや工場からの排煙、スモッグで汚れた空と空気。
喘息やアトピーに苦しむ子供達。
お父さんはすし詰めの満員電車で毎日通勤。
大企業に勤めていても、いつ自分の身に降りかかるかも知れない会社の倒産やリストラ。
そして便利さと引き替えのストレスだらけの都会生活。
これらに嫌気がさして、地位や名誉、仕事も全部捨てて、
自然と人間らしさを求めて、都会から田舎の天草島に移り住んだ人たちをご紹介する新コーナーが始まりました。
第1回目はシンガーソングライターの池田マッコイさん(37歳)です。

標高約200メートル、山間の高台、棚田に囲まれた小さな集落。
天気のいい日には遠く有明海が見渡せる。
池田さんは1年前、奥さんと子供たち4人で千葉県からここ天草郡五和町荒河内地区の元農家の借家に引っ越してきた。
集落といっても池田さん宅を含め3軒だけで、地元の人たちでさえ「こんなところがあったのか」というようなところだ。
イノシシが出没し、栽培していた野菜畑を荒らされ、困った、と苦笑する池田さん。
「なるべく手つかずの自然が残った場所」にこだわり、たどり着いたのがここ天草だったという。
池田さんはもともと佐賀県の出身。
高校卒業後、福岡の博多でバンドを組み、ライブハウスなどで活躍していた。
そして東京を目指す。
しかし、がんじがらみの音楽業界、都会生活が嫌になり、23歳の時にアパートを引き払い、全てを捨てて全国を巡る放浪の旅に出た。
その時、各地で出会った人たちの中でも、自分の歌を真剣に聴いてくれて、手をさしのべてくれたのは田舎で自給自足の生活をしている人たちだった。
10年前、コンサートを通じて知り合った妻の明子さん(30歳)と結婚。
4年後に長男が生まれたが、生後1週間目にアトピー性皮膚炎の症状が出た。
病院では治すことが出来ず、食べ物やせっけんなどを無添加の物に変えたところ症状が改善された。
その後生まれた双子の姉妹と次男も同じアトピーだった。
「自然の中で子育てをしたい」そう思い、徹底的な田舎暮らしを目指し昨年2月、当時住んでいた千葉県から天草島へ移り住む。

庭先には自分たちでニワトリ小屋を作り、ニワトリ4羽を飼っている。
子供達と一緒にニワトリの世話をし、生んだタマゴは食卓へ。
タマゴはアトピーには良くないと言われるが「自家製タマゴ」を食べても子供達は大丈夫だという。
「どんな餌をやっているのか自分で確認できる。これ以上の安全な食べ物はない」と話す。
昔造りの広い母家の中では子供達が元気に走り回っている。
新潟から取り寄せたという薪ストーブで暖をとり、ストーブの上に置かれた鍋では近所の人からお裾分けしてもらったミカンを使って奥さん手製のマーマレード作り。
柑橘系の甘い匂いがしている。東京都出身の明子さん自身、田舎暮らしを楽しんでいる様子だ。
3月16日リリースされるアルバム「夢の記録」(日本晴Records)の中から彼が一番気に入っている曲「夜明け」という曲を聴かせてもらった。
これは曲が作れなくて、どうしようもない時、ふと縁側から外を見ると、ちょうど夜明けの風景が目に飛び込んできた。
その時に見たまま、感じたままをそのまま曲に表現したものだという。

外では鳥たちがさえずり音楽のリズムを奏でる。
いま彼のイマジネーションを無限にかき立てる源は、この天草の自然の中にあるようだ。
インターネットが普及した今、どんな田舎に住んでいようがパソコンから、瞬時に最新情報を手に入れることが出来る時代。
池田さんは天草での田舎生活をベースに、地元の人たちとも音楽を通じて、人と人とのふれあいを大切に、「天草を根城=拠点に全国に発信するミュージシャンを目指していきたい」と話す。
2002.Mar
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