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コガネグモ同士を合戦させる、全国でも珍しい「熊本クモ合戦」(主催・熊本クモ合戦実行委員会)がこのほど、熊本県天草郡龍ヶ岳町の龍ヶ岳山頂キャンプ場であった。

黒い腹の背に3つの黄色い帯のある体長約2センチ、雌のコガネグモを細い棒に2匹はわせると、クモは自分の縄張りを侵されまいと喧嘩する。
噛まれたり、糸を巻き付けられたり、切られて落ちた方が負けになる。
一瞬のうちに相手に絡みついて、糸をかけ、長い足を巧みに使いながら、相手をぐるぐる巻きにしてしまう。
中には逃げようと糸を引きながら棒から降りていくが、「命綱」を切られ、落ちてしまい、勝負あり。

この日は付近の山で捕獲された33匹のクモが参戦。地元の子供たちと大人約50人が、合戦に熱中した。
コガネグモは本州から南に生息し、九州では古くから鹿児島で雌を訓練して、合戦を行う奇習が伝えられている。
(写真・拡大する)

クモといえば怖がる子供たちも多いが、天草では「コブ」と呼ばれ、夜にクモを見つけると「ヨロコブ」といい、ハエや、ゴキブリを食べる益虫として昔から大事にされてきた。
同実行委員会の藤本宏会長(61歳)が子供の頃の遊びを復活しようと4年前、近くの神社境内で始めた。
子供たちにコガネグモをとおして、「自然の大切さや、古くからの遊びの文化を継承したい」と話す。

参加した子供たちは最初、恐る恐るコガネグモを眺めていたが、合戦で繰り広げられるクモの巧みな早業に、生き生きと、目を輝かせていた。
2001年8月

 
 

 



 



 

 

 

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