2007年11月8日(木)

熊本県知事 潮谷義子 様

路木ダムを考える河浦住民の会

代 表  小 川 浩 治  

代 表  若 杉 数 太  

路木ダム建設中止の陳情書

 平素より県民とのパートナーシップを重視する熊本県政推進のためにご尽力をいただき、感謝いたします。
さて、私たちの暮らす天草市河浦町には自然豊かな天草でもめずらしくなった清流をもつ路木川というすばらしい川が残っています。
 現在その路木川に路木ダムの建設が進められており、その目的は「治水」、「利水」、「河川環境保持」と説明されています。

 目的の一つである「治水」について「路木川河川整備計画」(平成13年1月 熊本県)のp1には「昭和57年7月等の豪雨による洪水時には、下流宅地において約100棟の床上浸水、中流部水田においては約8haの農作物被害が発生している。」などと書かれています。
しかし、私たちの現地調査や河浦町が当時作成していたファイル「昭和57年集中豪雨」によれば路木地区の床上浸水数はゼロであり、「路木川河川整備計画」の記載は明らかに事実に反します。
さらに「路木川総合開発事業計画書」(平成5年3月)には「昭和60年7月の梅雨前線豪雨による被害:浸水家屋4戸、浸水農地10ha」、「昭和61年7月の梅雨前線豪雨による被害:浸水家屋4戸、浸水農地 8ha」などと書かれていますが、地元への聞き取り調査によると「これまでに路木川の氾濫による家屋被害はなかった」ということであり、この記述も事実と異なります。
 現地を視察した河川工学の専門家である大熊 孝・新潟大学教授は、家屋が集まっている路木地区が山付きで河口から遮られているため、「路木川の氾濫による路木地区の家屋被害は地形上ありえない。」などと指摘しました。
 このように治水を目的とする路木ダム建設は全くその根拠がありません。

 「利水」について「路木川河川整備計画」には「牛深市、河浦町では慢性的に生活用水が不足している。」などと書かれていますが、一部地区を除いて河浦町で生活用水が不足しているという事実はありません。生活用水が不足している一部地区についてもすぐ近くまで来ている一町田地区簡易水道を配管さえすれば解決します。
 牛深地区での干ばつ時における生活用水の供給不足への対応が必要と考えられますが、同地区では1995年~2005年の10年間に17%以上も人口が減少し(国勢調査結果)、現在も減り続けていることを今後の需要予測の大きな要因として考えなくてはなりません。
 現行の水源に加えて、河浦町にある上水道取水施設(未使用)をすでに備えた八久保川砂防ダム(貯水量約20万㎥)や路木川の豊かで安定した流れの一部を取水して活用する方法(平成6年の渇水時に実行済み)などを組み合わせれば、新たにダムを造る必要はありません。

「河川環境保持」について「路木川河川整備計画」の中で「概ね10年に一回発生する渇水時においても、安定した水利用と清浄な水質、良好な動植物の生息・生育環境等の維持を図る。」などと記述されています。しかし、路木川の流れは、干ばつ時においても途絶えることなく、天然の鮎の遡上やテナガエビなどが見られ、清浄な水質、生きものたちの良好な生息・生育環境が維持されています。
「河川環境保持」目的でダムを建設する必要性はありません。

 このように路木ダム計画はいずれの建設目的も破綻しており、危機的な県財政の状況下で90億円もの事業費(平成5年時点)をつぎ込んで建設する根拠は全くなく、不要なものであると言わざるを得ません。
 以上を踏まえて下記の通り陳情します。

【記】

路木ダムはその建設目的である治水・利水面などから見て建設のための正当な根拠がなく、事業を中止すること

牛深地区の干ばつ時の対策として、従来の水源に加えて八久保川砂防ダムや路木川からの取水など路木ダム建設によらない総合的な利水計画を立て推進すること

路木川沿いの農地を水害から守るために、護岸整備・河川改修など地域の実情に沿った対策を行なうこと

以上

 

 

 

2007年11月8日(木)

熊本県土木部長 渡邊俊二 様

路木ダムを考える河浦住民の会

代 表  小 川 浩 治  

代 表  若 杉 数 太  

路木ダム建設中止の陳情書

 平素より熊本県土木行政のためにご尽力をいただき、感謝いたします。
さて、私たちの暮らす天草市河浦町には自然豊かな天草でもめずらしくなった清流をもつ路木川というすばらしい川が残っています。
 現在その路木川に路木ダムの建設が進められており、その目的は「治水」、「利水」、「河川環境保持」と説明されています。

 目的の一つである「治水」について「路木川河川整備計画」(平成13年1月 熊本県)のp1には「昭和57年7月等の豪雨による洪水時には、下流宅地において約100棟の床上浸水、中流部水田においては約8haの農作物被害が発生している。」などと書かれています。
しかし、私たちの現地調査や河浦町が当時作成していたファイル「昭和57年集中豪雨」によれば路木地区の床上浸水数はゼロであり、「路木川河川整備計画」の記載は明らかに事実に反します。
さらに「路木川総合開発事業計画書」(平成5年3月)には「昭和60年7月の梅雨前線豪雨による被害:浸水家屋4戸、浸水農地10ha」、「昭和61年7月の梅雨前線豪雨による被害:浸水家屋4戸、浸水農地 8ha」などと書かれていますが、地元への聞き取り調査によると「これまでに路木川の氾濫による家屋被害はなかった」ということであり、この記述も事実と異なります。
 現地を視察した河川工学の専門家である大熊 孝・新潟大学教授は、家屋が集まっている路木地区が山付きで河口から遮られているため、「路木川の氾濫による路木地区の家屋被害は地形上ありえない。」などと指摘しました。
 このように治水を目的とする路木ダム建設は全くその根拠がありません。

 「利水」について「路木川河川整備計画」には「牛深市、河浦町では慢性的に生活用水が不足している。」などと書かれていますが、一部地区を除いて河浦町で生活用水が不足しているという事実はありません。生活用水が不足している一部地区についてもすぐ近くまで来ている一町田地区簡易水道を配管さえすれば解決します。

 牛深地区での干ばつ時における生活用水の供給不足への対応が必要と考えられますが、同地区では1995年~2005年の10年間に17%以上も人口が減少し(国勢調査結果)、現在も減り続けていることを今後の需要予測の大きな要因として考えなくてはなりません。
 現行の水源に加えて、河浦町にある上水道取水施設(未使用)をすでに備えた八久保川砂防ダム(貯水量約20万㎥)や路木川の豊かで安定した流れの一部を取水して活用する方法(平成6年の渇水時に実行済み)などを組み合わせれば、新たにダムを造る必要はありません。

「河川環境保持」について「路木川河川整備計画」の中で「概ね10年に一回発生する渇水時においても、安定した水利用と清浄な水質、良好な動植物の生息・生育環境等の維持を図る。」などと記述されています。しかし、路木川の流れは、干ばつ時においても途絶えることなく、天然の鮎の遡上やテナガエビなどが見られ、清浄な水質、生きものたちの良好な生息・生育環境が維持されています。
「河川環境保持」目的でダムを建設する必要性はありません。

 このように路木ダム計画はいずれの建設目的も破綻しており、危機的な県財政の状況下で90億円もの事業費(平成5年時点)をつぎ込んで建設する根拠は全くなく、不要なものであると言わざるを得ません。
 以上を踏まえて下記の通り陳情します。

【記】

路木ダムはその建設目的である治水・利水面などから見て建設のための正当な根拠がなく、事業を中止すること

牛深地区の干ばつ時の対策として、従来の水源に加えて八久保川砂防ダムや路木川からの取水など路木ダム建設によらない総合的な利水計画を立て推進すること

路木川沿いの農地を水害から守るために、護岸整備・河川改修など地域の実情に沿った対策を地域住民の意見を反映して行なうこと

以上